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コロナ禍でゴリラを想う
2020.07.08
今も尚油断ならないコロナウィルス。緊急事態宣言中はテレビを見る機会が多く、不安を煽るような
内容が多い中、NHKの夜の番組でコメントされていた京都大学総長の山極壽一先生の内容にとても
感銘を受けたので少し紹介したいと思います。
山極先生は霊長類(ゴリラ)研究の世界的権威でもあり、人類の起源と進化過程を探り人間の
本来あるべき姿を研究されています。
人類の祖先はサルと思われていますが、実はそこから分岐した類人猿(ゴリラやチンパンジー)らしく
ゴリラの行動の中には人間に近いものがみられます。人間のように家族的な集団を作って
行動し、その中では強いものが弱いものに食べ物を分配したり、弱いものに力加減を合わせて
一緒に遊んだりするらしく、それは優劣序列のあるサル社会では絶対にあり得ない事のようです。
ゴリラには”覗き込み”というコミュニケーションの方法があり、お互い顔を寄せることで弱者は自分の意思を
主張し、強者はそれを読み取ろうとする。人間のような優しさを感じますね。
山極先生は現代社会が”サル化”しているのではと警鐘を鳴らされていますが、
幸いこのコロナ禍の自粛生活の中で、それぞれが年齢も体形も性別も違う家族と今まででは考えられない程
長いイレギュラーな時間を共に協力しながら過ごし乗り切る事で自分と”違う”人に対する”共感力”を
養えたのではないか、そうであればこのコロナ禍を乗り切った後は寛容な世界が待っているのではないか。
と話されていました。
気が遠くなるほど昔(700万年前)に四足歩行から直立二足歩行になり、エサを求めて熱帯雨林から出た我々
の祖先は今までに数えきれない困難に見舞われながら、弱みを強みに変えそれに呼応するように変化を
遂げて今に至ります。人類学の歴史に比べると1年2年のなんと小さなこと!コロナが起こっても今までみたいに
何とか乗り切っていけるさ!と何やら勇気を貰えた気がしました。
コロナ禍で働き方も変わってきています。始めはどうなることか。と思い案じましたが、変わることを必要以上に
恐れず、進化するために必要な変化なのだと前向きに考えられるようになったのもコロナの副産物なのかもしれません。
F.